設備投資助成が高い経済効果を上げている?

「ものづくり補助金」、2.2倍の経済効果−全国中小企業団体中央会が調査:日刊工業新聞(2014年11月17日)

 中小企業の設備投資を促す「ものづくり補助金」が、国が予算措置した金額の約2・2倍の経済効果を生み出していることが分かった。
 (2面に関連記事)
 事業の実施団体である全国中小企業団体中央会の調査によると、補助金交付企業が事業に要する経費の試算合計額は4978億円で、国がこの事業のために2012年度および13年度の補正予算で措置した約2400億円の2・2倍の規模となっている。
 補助金を“呼び水”として“自腹”でも追加投資に踏み切る動きが活発で、新たな事業に挑む姿を裏づけている。
 同支援策はこれまでに全国で延べ6万1000社の申請があり、約2万5000社を採択。「平均的な申請内容では採択されない」(関係者)高倍率の人気施策となっている。同支援策は過去2年、補正予算で実施された経緯がある。経済対策を盛り込む14年度補正予算案編成が検討されるなか、引き続き実施される可能性が高まってきた。

記事全文を読めないので詳細不明だが、ここで述べられていることは、要するに、
国の措置額:2400億円
企業の事業経費:4978億円
で、約2.2倍ということらしい。4978億円は「事業に要する経費」とのことなので、補助金も含んだ額だと思われる。補助事業は自社の持ち出しがあることが前提(補助率100%未満が普通)なので、この割り算が1倍を超えることは当然で、よくある補助率として50%の場合であれば、この割り算はそれだけで2倍になる。だから2.2倍という数字が特段驚くべきものと思えない。
だから、下記のようにツイートしている方と全く同じ感覚を持った。

satokeeさんはTwitterを使っています: "インチキ臭い記事、そもそも補助率2/3だから何もしなくても1.5倍、自主的には0.7増だが補助金の上限が決まっているので綺麗に収まらなかったというだけでは?

記事後半にある競争倍率が2.4倍程度になったという点だが、これについてはニーズの高い政策だったという評価ができるかもしれない。しかし、この方が言うように補助率が3分の2あるのならば、最大で通常の3分の1の経費負担で設備更新が可能になるのだから、設備更新時期を迎えていた企業が反応しただけだという見方もできる。更新費用の単なる節約にしかならなかったという可能性もある。
要するに、この補助金によって企業の投資行動がどう変化したかを見る必要があるので、単に補助対象事業の規模を集計しただけでは意味がないという話。それとも、読めない記事の後半ではこれに関する記述があるのだろうか。