経産省:オンライン版の通商白書を10年分しか掲載していない。

通商白書(METI/経済産業省) http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/index_tuhaku.html
ここに、こうある。

2006年以前の通商白書は国立国会図書館の「インターネット資料収集保存事業(Web Archiving Project)」ホームページ外部リンクでご覧になることができます。
唖然とするほかはない。
自らの最重要と言える白書の掲載・保存を国会図書館、他部局にゆだねるとは。国会図書館が保存事業を止めたりサーバーが停止されたりすればそれで終わりである。経産省国会図書館の事業継続を保証してくれるとでも言うのだろうか。
ちなみに、中小企業白書は古いものも掲載していて立派である。だが、それでも問題が残っている。例えば昭和38年版の中小企業白書http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/S38/index.html)には、図表が保存されていない。保存が中途半端なのである。
インターネット時代以前の文書を整理して公開するのは大変な手間がかかることは分かる。だから中途半端でも理解できるし、テキスト化して掲載してくれているだけでもありがたい。けれども、例えば平成15年版の通商白書は、すでにオンライン化・掲載されていたので、それは意図的に削除されたわけである。
公文書の保存と公開の持続は役所の外の人間にはとても大切なことで、閲覧の用が生じることはしばしばある。ネット時代の文書なのに、それを閲覧するために紙ベースの本を図書館に探しに行き、複写しなければならないとは、まるで20年ほど前に戻ったかのようだ。
日本経済の政策をリードする役所がこのような非効率を利用者に強いて平気だというのだから、日本経済が停滞し続けているのも宜なきかなと言わざるを得ない。