鬼怒川温泉問題に関する参照先メモ

「温かい食事を温かいまま出すこともできなかった」バブル時代に大盛況だった栃木の鬼怒川温泉はなぜ廃れてしまったのか?分析した論文が面白い - Togetter https://togetter.com/li/1587604

鬼怒川温泉足利銀行のレポート・報道記事は数多く、ネットでたくさん見ることができる。
上記で言及されている2つのレポートのリンク先をメモしておく。

●岩城成幸(2006)「温泉街の事業再生と地域金融機関――鬼怒川温泉足利銀行の関係を中心に――」, 「レファレンス」No. 665 平成18年6月号, 国会図書館
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/287276/www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200606_665/066501.pdf
これは、下記が参照先となる。
『レファレンス』|国立国会図書館―National Diet Library https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/index.html

●「Ⅰ.鬼怒川温泉の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/h16seika/06jyuurai/06_fuji_hon1.pdf
これは、
国土交通省
「国土施策創発調査」 https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/souhatu.html
が参照先で、
平成16年度国土施策創発調査費事業のNo.6である
「従来型観光地での地域の魅力の再発見または創出と、それを活かした集客力回復とまちの再構築に関する調査」
https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/h16seika/06jyuurai/06jyuurai.htm
の報告書になる。
参照されているのはこの調査で対象となった「東京からおよそ100キロ圏内に立地する「従来型観光地」である栃木県藤原町、群馬県伊香保町山梨県石和町」のうち、栃木県藤原町(現在は日光市に併合)にかんする「本編」
https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/h16seika/06jyuurai/06_fuji_hon1.pdf
である。

なお、「国土施策創発調査」の調査報告等は、2020年9月6日時点では、まだ上記リンクから閲覧・取得可能である。国交省におかれては末永く維持してほしい。
 
ネット検索はとても便利だが、参照先文書の出典情報を抜かして紹介されること(直リンク)が多く、文書の性格や限界、信頼性を知ることが難しい。文書の性格を知らなければ文書の記述を評価できず、これらを推測するためには出典情報が必要である。したがって、これを補完することは有意義である。

他方、ネット上の文書は常に消滅の危機にさらされており、それは上記鬼怒川温泉問題に関しても例外ではない。現時点ではまだ残されている文書は少なくないが、官公庁、民間を問わず早晩ほとんど姿を消し、問題の詳細を後から知ることはほぼ不可能になるであろう。学問にとっても社会にとっても損失である。
時折、断片的に残された記事が発掘され、文書の記述の評価がないままにSNS等で流布し、そうして事例の一面的なイメージがモザイク状に固定化していく。それは多くの場合、人々が事前に形成していたステレオタイプの再確認にしかならないであろう。こうした事態は、記事が本来持っていたはずの、新事実の発見と現実認識の更新という目的からすると皮肉だと言える。