官公庁はせめて自分で実施した事業の成果物は掲載し続けておいてもらえないだろうか。

経産省が2003年度に実施した「創業・起業促進型人材育成システム開発等事業」について、2004年3月に行った「最終報告」のお知らせがまだ経産省サイトに残っている。
経済産業省の取り組む高度専門人材育成事業について【最終報告】−経済産業省
これは大変ありがたいのだが、そこに貼られている各事業の報告と成果物へのリンクがことごとく切れている、というか、リンク先ページが削除されている。

その削除されているページは、かろうじて国会図書館の「インターネット資料収集保存事業(Web Archiving Project)」に保存されていた、幸いなことに。
→「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」で「創業・起業促進型人材育成システム開発等事業」を検索する。

つまり当該資料の保存は、いわば国会図書館のお情けにすがっている状態であり、この「インターネット資料収集保存事業」の事情によっては今後消滅する可能性がある。

ところで、本事業の成果物である各人材育成用の「講義テキスト」はまだ経産省サイトからダウンロードが可能である。
例:http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/ji04_10_11.pdf

しかし、PDFファイルに分冊化されているこれら「テキスト」の構成を一覧できるウェブページは経産省サイトにはない。上述の通り、本来これらへのポインタであったリンク先ページが削除されているからである。それ故、これらテキスト群を閲覧するためには個別PDFファイルのアドレスを直接当たらなければならない上に、「テキスト」の全貌を経産省サイトで知ることはできない。
また、現在では、Google等の検索サイトで適当なキーワードからこうした文書の存在を知るケースが増えていると思われるが、このようなアプローチでは文書の断片や一部をかじることはできても、当該文書の全体的な性格やその文書が作成された経緯を調べることは非常に難しい。このようなときに官公庁側でその文書をウェブに公開した際に掲載したお知らせや各資料へのポインタとなるページがあると、その文書を理解する上で大きな助けになるし、検索で見つけた文書以外の資料も閲覧することもできる。

現状ではせっかくの事業成果の普及が非常に難しくもったいないばかりか、事業の意義や文書の性格を誤解されてしまう恐れもある。それに文書が閲覧できなくなれば、事業の存在自体がなかったことのようになってしまう。
保存容量の問題は常にあるけれども、何とか公開を続けてもらいたいものである。