メイドインジャパンが粗悪品の代名詞だった記事

朝日新聞の聞蔵IIで古い記事(1989年まで)を検索した。見出しを「粗悪」という語で検索した中してヒットした記事から一つ紹介する。

1984年5月9日付け東京朝刊(11頁6段)「粗悪品国は今や昔 高品質で日本が2位 英紙調査_国際経済」

この記事によると、

1.「どの国の商品が高品質と思うか」

イギリスのデーリー・テレグラフ紙が英国人を対象に調査。

2.1984年の結果(複数回答)

  1位 西ドイツ 56%
  2位 日本 46%
  3位 ニュージーランド
  4位 スイス
  →「どの国の商品が粗悪か」
  1位 アルゼンチン
  2位 ソ連
  3位 南アフリカ

3.1960年の結果(複数回答)

  1位 アメリ
  2位 オーストラリア
  3位 西ドイツ
  →「どの国の商品が粗悪か」
  1位 日本 45%
  2位 ソ連 27%
  3位 中国 26%

雑感

検索結果を一覧すると、1960年代までは粗悪品の輸出がしばしば問題になっている。とりわけ1956年には大事件が続いたようだ。
1970年代には騒ぎはやや沈静化したようだが、それでも粗悪品輸出を見出しにした記事が散見される。
そういえば、学校でJIS規格について習った時、粗悪品防止だと聞かされたのを思い出した。
1980年代になると、粗悪品の見出し記事は国内での事件がほとんどになる。ニセ舶来品や粗悪品のバーゲン、粗悪な石油などである。確かにあの頃、路上販売などで怪しい偽物が売られていたのを思い出した。いかがわしくてなかなか良かった。あの頃は模造品ではなくて、コピーだから問題ない(インスパイアみたいな?)とか、今からすると訳の分からない正当化があったような気がする。
この頃から、国内向けのニセブランド品が問題になっていく。円高国民所得の増加が反映されている。