「かごしま産業おこし」関連

県ホームページ:かごしま産業おこし

平成18年度から実施しているとのこと。
●考え方:
成長著しい中国・東アジア→これへのゲートウェイに位置する九州=我が国アジア戦略の最前線
これからのアジアの時代は本県産業の更なる発展を図るうえでの一つの好機→アジアの時代における産業戦略を構築し,産業基盤の強化に全力で取り組む→地域間競争が激化する時代における「産業おこしへの挑戦」
というわけで、
・高い付加価値を生み出す第二次産業の集積を図っていく必要
・自動車関連産業,電子関連産業,食品産業について戦略的な産業振興を図る
とのこと。うーん…(汗)
平成21年度の企業立地推進
企業誘致アドバイザー、企業誘致専門員として民間企業出身者を登用→人的ネットワークの構築
企業誘致サポーター:鹿児島にゆかりのある企業人等を登録
進出企業アドバイザー
「自動車・電子・食品」の重点3分野を中心に企業誘致
電子関連業種:本県に集積している。設備投資が期待される環境関連産業に重点。
自動車関連業種:今後成長が見込まれる
食品関連業種:本県の地域資源を生かす。「食の産業クラスター」形成へ
【取組内容】
●宣伝と情報収集
トップセールス、企業誘致専門員(東京・大阪・名古屋)、業界専門誌等に広告、企業立地懇談会
・企業誘致アドバイザーの助言、企業設備投資情報等の収集、イベントに出席等して情報収集
・市町村と連絡会等、情報共有
・企業誘致サポーター、県出身者の組織を通じた情報収集
●進出企業へのアフターフォロー:進出企業アドバイザーや職員が集中的な(?)企業訪問→情報収集とニーズ把握→きめ細やかな対応
●企業立地促進法→地方税の課税免除、緑地率の緩和、人材育成等のソフト事業など
産学官連携:高度な技術力を持った協力企業群の育成・強化→誘致の呼び水
●ニーズに合った立地先の提供
・立地環境の整備:臨空団地や市町村の工業団地などの整備
・企業が求める情報のスピーディーな提供
●企業誘致ワンストップサービス
・かごしま産業支援センターによるワンストップサービス
・産業立地課を窓口→所管課へ迅速な処理を要請
…別に普通というか代わり映えしないメニュー。魂のこもり方しだいかな…。

県が作った「ネットワーク」というグループ

平成15年度「かごしま電子システムソリューション研究会」設立
平成18年度「鹿児島県自動車関連産業ネットワーク」設立
平成21年度「かごしまモノづくり推進協議会」設立。上記2組織を統合する。
●鹿児島県自動車関連産業ネットワーク
平成18年7月26日〜平成21年3月31日、正会員47社,支援会員33団体。
講演会、商談会、トヨタ生産方式の研究会など。平成20年3月以降の展開が記載されていない…。
●かごしま電子システムソリューション研究会
平成15年9月12日〜平成21年3月31日
講演会、研究会などをやっているみたい。

日経新聞「鹿児島の地場企業は生産現場見てニーズ把握を」(07/08/08)(日経ネット[NIKKEI NET]九州版)

  鹿児島県が地域の自動車部品メーカー同士の連携強化を狙った「鹿児島県自動車関連産業ネットワーク」を発足させて約一年。「北部九州での自動車産業の活況を南九州にも波及させよう」と伊藤祐一郎知事の肝いりで立ち上げたが、県内企業は輸送距離の長さなど克服すべき課題が多い。今後の展望を下村吉文会長(西中製作所社長)に聞いた。

 ――完成車工場が集中する北部との距離がネックになっている。

 「北部九州まで高速道路で片道4時間半という壁はなかなかクリアできない。愛知県や三重県からの進出企業のほか、現時点で自動車関連分野に本格的に取り組んでいる地場企業は数社。大手との取引拡大を狙った商談会も開かれたが、地場企業は実際にコストや技術レベルが取引先の要求に見合うのかが見えないようだ」

 「県内には人員が20―30人程度の中小企業が多い。得意技術があってもコスト面で取引先の要求より3割程度高く、受注は難しい。ただ(熊本県の)アイシン九州が主導する共同受注組織『リングフロム九州』が試行している、北部九州へ毎日向かう共同配送便を活用して輸送コストを削減する手はある」

 ――アイシン九州が工場を増設する。

 「県内企業が受注するチャンスだが、それなりの設備投資が必要だし、1社単独ではなかなか難しい。3―4社で(設備投資の)連携プレーができれば何とかなる気はするが、参加企業の意識はまだそこまで変わっていない」

 「部品分野への参入には、コストの問題以前に納期の遅れや欠品、リコールなどといったリスクに対応できる体力を求められるが、残念ながら県内にはそれを持ち合わせる企業は少ない。その点、検査治具や製造ラインの装置などは部品ほどの短い納期などを要求されず、県内企業にも受注のチャンスがあるかもしれない」

 ――地場企業がやるべきことは。

 「現段階では商談会に積極的に参加するなどして、まずはどんな仕事があるのかをもっと知るべきだ。じっと待っていても仕事は受注できないし、何より受け身的な立場から脱却しなければならない」

 「いろいろなツテを頼るなどして、(福岡県の)トヨタ自動車九州やアイシン九州などに何度も足を運んで現場を見ることも重要だ。各社は人材育成目的の社員派遣についても、喜んで受け入れてくれるだろう。このままだと北部九州だけでは必要な部品の全量をカバーできなくなるから、完成車メーカーなども加工業者を確保しておきたいはずだ」

 ――行政の支援も重要になってくる。

 「県のネットワークは現状では『とりあえず地元企業を支援する組織を作りました』というポーズにしか見えない。県が本気で自動車関連産業を育成したいのであれば、不利な条件を穴埋めするための策を講じるべきだ。輸送コストの助成や機械導入に際しての低利融資制度など、いくらでもあるはずだ」

(聞き手は沢沼哲哉)

日本経済新聞九州経済面 07/08/04)

2年前の記事だけど、かなり辛辣な評価。地場企業は「笛吹けど踊らず」といったところか。ていうか、県は技術と人材の厚みを増やすビジョンを持たないで流行の業種を闇雲に追っかけても誰も付いてこないと思うけどな…。