茶技師

金峰町白川地区で聞いた話だが、当地は山間地で土地が少ないため、昔から杜氏と茶技師として地区外へ働きに出る人が多かったという。現在ではその数も減り、多くは高齢化している。両者共に65歳以上、杜氏はほとんど姿を消したが、茶技師は20名ぐらい残っているのではないかとのこと。
茶技師の需要も減ったそうだが、その理由として製茶工場の大型化・自動化が挙げられていた。
・茶技師の技能と製茶技術との関わり、また茶技師が広域を回って歩くという(経営)スタイルがなぜ成り立ったのかということ。
・茶技師、杜氏、そして川辺の木工や鍛冶も含めて、南薩の山間部では技能集団を擁する部落が点在していた。それらのうちあるものは各地に出稼ぎに出て他地域の地場産業を支えるという構図が見られた。これらの労働力の移動と地域の産業、そしてこれら部落の生活の関わりについて、実相を調べてみたい。こうした関心は民俗学の領域に多く入っていくことになるのだろうけれど。…まとまった既存研究ってあるのかな。
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茶関連で。(from the search result on CiNii. Keyword: 茶)
●中澤 久志「ここが違う!静岡と鹿児島の茶業--生産と経営構造の視点から」三部作になっている。
 (1)〜(3):茶(静岡県茶業会議所)61(7〜9), 2008-07〜09
●(CiNii PDF)大重 康雄「鹿児島県における農産物輸出の可能性について : 緑茶輸出における事例研究」鹿児島女子短期大学紀要 42, 83-109, 2007-02-28
●幸加木 尚徳, 板橋 衛「茶工場再編下における地域農業の新展開 : クリンティかごしま・えい茶業(有)を事例として」農業経済論集 56(1), 91-100, 2005-10-15, 九州農業経済学会
●「事例3 緑茶をドイツへ--株式会社下堂園 鹿児島県 (新年特集 農のニッポンブランド)」地上 59(1), 33-37, 2005-01, 家の光協会
●「農業NOW 茶園面積の大幅拡大に寄与--鹿児島県有明町農業協同組合」農林経済 (9266), 14-15, 2000-05-22, 時事通信社
●木立 真直, 高橋 伊一郎「共販体制下における産地商人の存立条件と対応形態 : 鹿児島茶を事例として」九州大學農學部學藝雜誌 38(4), 139-152, 1984-03, 九州大学
●田崎 穂「不動産鑑定評価等手法の研究-5-鹿児島県における茶園地の収益価格」不動産研究 23(2), p47-54, 1981-04
●(CiNii PDF)宮田 育郎「鹿児島県の一畑作地帯における農民層分解」鹿兒島大學農學部學術報告 16, 115-140, 1966-03-14, 鹿児島大学
茶技師に関する論文はCiNiiでは見つからないなあ…。