学生に何度パワハラを繰り返しても解雇されないのが大学教員という身分

「殺すぞこら」「完全にダメ人間」 神戸大、暴言の准教授2人を停職:朝日新聞デジタル(2022年3月4日 19時37分)
https://www.asahi.com/articles/ASQ345TT0Q34PIHB01B.html

 神戸大は4日、学生に暴言を繰り返したなどとして、40代の男性准教授2人をいずれも停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 人事課によると、准教授の一人は昨年1月、ミーティングを無断欠席した学生を研究室に呼び出し「お前不可だぞ。ここでぶん殴ってやりたいとこなんだなあ。殺すぞ、こら」と怒鳴って椅子を蹴り飛ばした。

 大学の調査で、10人以上の学生に対し「殺すぞ」「馬鹿」などの言動が確認されたという。准教授は「怒りで理性を失った」と説明しているという。

 もう一人の准教授は2020年秋、研究室に属する学生に「幼稚すぎて指導するレベルに達していない」「君は完全にダメな人間や」などと人格を否定する発言を繰り返したという。

 学生の相談を受けて研究科長が大学側のハラスメント防止対策本部に報告。大学のその後の調査で、この准教授をめぐって13年以降、10人以上の学生が研究科へアカデミック・ハラスメントの被害を相談していたことが判明した。

 研究科は准教授にその都度注意したが、大学に報告はしていなかった。人事課は「隠匿とは認められないが、研究科の対応には疑問が残る」としている。

 大学の調査では、研究室の複数の学生らから「ゼミは長時間にわたって理不尽な叱責(しっせき)が科される場所だった」との証言もあったという。

 准教授は調査に対し「熱心に指導する中で、学生を追い込む形になってしまった」と説明しているという。

 人事課は「ハラスメントに関する就業規則の順守を周知徹底し、再発防止に努める」とのコメントを出した。処分者の特定につながるとして、准教授の所属する学部・研究科は明らかにしていない。(小野大輔

研究科は10年ほども、この問題教員を見て見ぬふりを続けてきたわけだ。(准教授だし、この人を守る組織的な動機は大してなかっただろうにもかかわらず。)
大学院という、教員を告発することが非常に難しい環境にありながら、学生が教員を告発する。それがどれほど勇気のいることか。そしてその勇気を引き出すにいたった教員側の言動がどれほど深刻なものであったか。一般的には大変なことがあっただろうという推測が成り立つ。
そして、大学として公式の調査をする段階にやっと進んだのだが、10年間で10件以上のアカハラ事案、都度注意して改善が見られない。相談学生以外からも同様の証言を複数得ている。事実関係は相当に蓄積。教員本人も認めている。
それなのに「停職1ヶ月」という軽い処分。
その結果がこれだ。暗澹とする。
 
大学教員という立場から言えば、こういう処分では実名公表してほしい。教員公募に紛れ込まれ、うっかり採用したら本当に本当に本当に厄介なので。それができないのなら、教員というのは全部有期雇用にしたらいいと思うほどに、この手の教員は本当に本当に本当に厄介なので。こういう人たちは「教員」にしてはいけない。助手もなくただ一人の部屋で全てを自分一人でまかなう「研究者」という場所に押し込んでおくならまだ許せる。