大阪大学、出張経費等の不正受給で懲戒解雇。別件で盗用による博士号取消も公表。

阪大の大学院教授を懲戒解雇 新たにセクハラも認定 出張経費など不正受領問題 - 毎日新聞(2019年8月21日 20時22分(最終更新 8月21日 22時22分)

 大阪大大学院高等司法研究科の青江秀史教授(64)=知的財産権法=が出張経費など計約9195万円を不正に受け取っていた問題で、阪大は21日、青江教授を同日付で懲戒解雇したと発表した。新たにセクシュアルハラスメント行為も認定した。青江教授は不服申し立てをしたが、認められなかった。阪大は告訴を検討している。

 阪大によると、青江教授は岡山県内に自宅があると虚偽の申告をし、2004年から今年3月まで住居手当と通勤手当計約1473万円を受け取った。さらに、研究調査名目で学生や家族を伴う私的な旅行を繰り返すなど09~18年度に研究費計約7722万円を不正使用した。

 セクハラは11~17年、身体的な接触や、懇親会で容姿をからかう発言などがあったとした。

 また、阪大は同日、大学院国際公共政策研究科博士後期課程を09年3月に修了した30代の男性(ブルガリア国籍)の博士号を取り消した。博士論文に他の著作物からの盗用があったとしている。【松本光樹】

9千万円不正受給、阪大が教授を懲戒解雇 住居など偽り:朝日新聞デジタル(2019年8月21日20時30分)

 通勤手当や出張旅費など総額約9195万円を不正に受け取ったとして、大阪大は21日、大学院高等司法研究科の青江秀史教授(64)を懲戒解雇した。阪大によると、青江教授は受給額の大半について「認識の誤りや事務的なミス」と説明しているという。

 発表によると、青江教授は阪大に採用された2004年、岡山県内の借家から通うと偽り、虚偽作成した賃貸借契約の証明書を提出し、通勤・住居手当を受給。年間の半分は東京の知人宅などに滞在し、宿泊代や日当を出張費として受け取っていた。阪大はカラ出張やタクシー券の不正利用も認定。全額の返還を求めている。

大学発表:教員の処分について — 大阪大学(2019年8月21日(水))
添付資料に調査概要が示されている。調査委員会には理事2名の他に事務系部長職が中心、外部から弁護士も2名加わっている。合計13名。事実確認も関係者への聴取や資料提出を求めたようで、かなり突っ込んでいる。少なくとも事なかれ主義や隠蔽を主眼とした様子はなさそうで、腰を据えてかかったのだろう。調査の手間暇と苦労が偲ばれる。一読に値する。

参考
青江秀史 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%B1%9F%E7%A7%80%E5%8F%B2
これによれば1979年から2004年まで富士通に勤務。実務家教員だったようだ。

弁財天: 大阪大学大学院高等司法研究科を懲戒解雇された青江秀史(あおえひでふみ)教授の解読w update8 http://benzaiten.dyndns.org/roller/ugya/entry/aoe-hidefumi-fujitsu
やや詳しい。法学プロパーではない人だったのかもしれない。

毎日新聞記事に出た博士号取消については下記に発表がある。
博士学位の取消しについて — 大阪大学(2019年8月21日(水))
学位授与年月日: 2009(平成21)年3月24日
学位授与取消日: 2019(令和元)年8月21日
10年後に発覚。上記発表には事実概要が別紙添付されている。