ねつ造、剽窃と引用、出典の明記など

下記の事件に関連して、捏造や剽窃についての教材になりそうな文献が見つかったのでメモ。

東洋英和女学院 不正行為に関する調査結果「極めて悪質」 深井智朗院長を懲戒解雇 2019年5月10日 | キリスト新聞社ホームページ

1.大学の調査結果が以下。

研究活動上の不正行為に関する調査結果について|東洋英和女学院大学

報告書と資料が良質。研究不正についてのよい教材になる。剽窃の対照表が資料にあり、論文作法の具体的な事例として役立つ。報告書類の書き方の見本にもなる。

2.疑問を呈した書評。論文末の出典に関する指摘が有用。

深井智朗著『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム―ヴィルヘルム帝政期における神学の社会的機能についての研究』(教文館、二○○九年、四三五+xxx頁)

深井智朗著『ヴァイマールの聖なる政治的精神―ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』(岩波書店、二〇一二年、三一二頁)

3.出典明記の意義を説くわかりやすい解説が次の文献

文系の学問において資料の実在を証明するものとは何か

論文作法における出典明記の大切を説く。わかりやすい。平明でよい教材になる。あと、日本政府の公文書の扱いに皮肉がチクリ。

4.上記事件に関する報道など。

『エルンスト・トレルチの家計簿』の謎 | Japanese Medieval History and Literature | 9669

神学の大家「東洋英和女学院長」に浮上、神をも恐れぬ“論文でっちあげ”騒動 | デイリー新潮 週刊新潮2018年10月25日号掲載

東洋英和女学院院長に研究不正疑い 引用論文存在せず?:朝日新聞デジタル 2018年11月9日21時44分

架空論文に浮かんだ3人のレーフラー 記者が謎に迫った:朝日新聞デジタル 2019年5月10日19時26分

東洋英和の前院長がコメント「これ以上お答えできない」:朝日新聞デジタル 2019年5月10日16時43分

架空の神学者「でっち上げ」 二転三転した前院長の説明:朝日新聞デジタル 2019年5月11日00時02分