キャリアデザイン系で使えるかな? 授業教材ネタ

年金、20代は2000万円超の払い損  普通の人でも資産運用をしなければいけない理由(2):週末マネーサロン:マネー :日本経済新聞
2012/7/14 7:00日本経済新聞 電子版
なくなると困るので、一応魚拓してみた。→(cache) 魚拓
記事を一言で要約すると、若いときから老齢時の生活を想定した資産形成を意識しましょう、という内容。
数字が出て具体的なので、学生の興味も引きやすいかなと思う。ライフプランと生涯所得とを絡めて職業選択を考えさせ、各自の人生設計を試算するワークを作ると、戦略的に大学生活を送る必要性を実感させやすくなるかもしれない。
ただ、類似の数値例はいろいろ書籍とかもあるんだけど。
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見出しは、若い人の年金制度への不信感を煽るセンセーショナリズムを感じさせて良くないと思う。年金があやふやなのはその通りだけど、試算されている「標準的」なケースでは厚生年金の加入は半ば義務的であるわけで、「私は損するので年金には入りませんから掛け金の控除は止めて下さい」という選択肢はそもそもないのでは?401k的な運用への切り替えも今後進んでくるだろうけど、これは会社の選択であって個人の選択ではないし。個人の選択対象にならないなら年金欠陥論は所詮話の枕にしかならないのだから、論旨の中核となる「老後の資産目標は1億円、夫婦共稼ぎがポイント」ってのを見出しにする方が良心的だと思う。
要するに、年金制度(もっと言えば租税も合わせた社会保障制度)の問題は社会問題・政治問題で集団的意志決定問題なのだからそれ自体を論じることは極めて重要だけど、余りそれが本質的ではないところで、アイキャッチ的に不安を煽るようなトピックの使い方をするのはいやらしい感じがするということ。