森の動植物園づくり:温暖化防止にも効果 林野庁が指針

森の動植物園づくり:温暖化防止にも効果 林野庁が指針 (毎日新聞 2008年11月25日 2時30分)
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2008/11/25/20081125k0000m040092000c.html?inb=rs

 林野庁は、森林に多様な野生生物が生息する「森の動植物園づくり」に乗り出す方針を固めた。2010年に名古屋市生物多様性条約締約国会議が開催されるのを踏まえ、多様な生物が生息し、温暖化対策にもなる森林利用と保全のための指針を策定する。

 日本は林業が衰退し、人工林約1100万ヘクタールのうち約330万ヘクタールで間伐が必要だ。適切に間伐すると地表に光が届き、下草が生え、昆虫や小動物が生息し、ワシなどの猛きん類も訪れるようになる。一方、日本は京都議定書で、温室効果ガス排出量を90年比で6%削減することを義務づけられている。このうち3.8%分を森林による吸収で賄う計画だが、吸収量に換算できるのは間伐した森林と新たな植林地に限られている。

 林野庁生物多様性と温暖化対策を両立する森林整備を目指し、研究者や消費者団体代表、環境NGOらでつくる検討会を発足させる。具体的には来年夏までに、森づくりの指針を策定し、今後の施策に活用する。策定した手入れの方法や指針は、森林所有者や現場で作業する林業従事者に活用しやすいように工夫する。【田中泰義】