鉄道廃線の観光が増えているという記事

神戸新聞NEXT|総合|廃線跡の観光資源化、全国で 外国人観光客にも人気 
2017/11/27 16:05神戸新聞NEXT

 鉄道の廃線跡を観光に生かそうとする取り組みは兵庫県内外で進む。姫路市が旧市営モノレールの旧手柄山駅を改修し2011年に公開した手柄山交流ステーションは車両やホーム、機器などを展示し、年間約9万人が訪れる観光スポットとして定着している。

 今月5日に実施した廃線跡ツアーには定員30人に対し市内外から100人の応募があり、定員を倍増して対応。参加者は姫路駅跡や現存する橋脚を巡って解説を聞いた後、同ステーションで普段は入れない車両下のスペースからレールや車体、車輪を見上げた。

 兵庫県養父市ではスズ鉱山として栄えた明延鉱山と神子畑(みこばた)選鉱場(兵庫県朝来市)を結んだ明神電車(通称・一円電車)の線路を住民らが移設し、07年から運行。約70メートルの線路で4〜11月に行う定期運行を今年は17回に増やし、臨時運行も合わせると昨年の倍近くの約6400人が利用した。鉄道ファンだけでなく家族連れらが関西各地から訪れているという。

 全国的に注目を集める事例が岐阜県飛騨市にある。フレームに固定した2台のマウンテンバイクで往復約6キロの線路上を走る旧神岡鉄道の「ガッタンゴー」だ。11月26日に営業を終えた今年は約4万人が利用。国内だけでなく、外国人観光客も多く見られたという。

 宮崎県高千穂町の旧高千穂鉄道では30人乗りエンジン付きカートが線路上を運行、高さ105メートルの高千穂鉄橋からの絶景を味わえる。廃線後の駅を活用した秋田県小坂町の「小坂鉄道レールパーク」では4〜11月、レールバイクや機関車の運転体験、ブルートレイン車内での宿泊を楽しめる。

 鉄道の廃線跡地活用を目指す「日本ロストライン協議会」に参加し、産業遺産の記録や見学を手掛けるNPO法人「J−ヘリテージ」(神戸市兵庫区)の松村真人(まこと)さん(41)は「廃線跡を観光に生かすには、鉄道を巡る近代化などの歴史を読み解いてストーリーを作り、情報発信することが大切。『インスタ映え』するような写真が話題を呼べば訪問者が一気に増える可能性も」と指摘している。(大島光貴)

以前、NHKがイギリスの鉄道廃線保存運動とその観光資源利用を放送していた。その多くで運営は地元のボランティアベースだと紹介されていたように記憶する。なかなか商業化するのは難しいのかなあ、何にしろ非営利の地元愛を基盤とするのがいいのかなあ、などと思った事を思い出す。
遺産が保存され愛でられるのは嬉しいけれど、地元の負担が辛いのはよくない。願わくば、遺産が日常に溶け込む世界にならんことを。