駅隣接高架下に大学が進出

高架下に大学キャンパス 全国初、武庫女が最寄り駅に 西宮市民も気軽に カフェや銀行併設 /兵庫 - 毎日新聞(2019年10月8日 地方版)

 阪神電鉄の「鳴尾・武庫川女子大前駅」(西宮市里中町)高架下に7日、同駅を最寄り駅とする武庫川女子大の「武庫女ステーションキャンパス」(MSC)がオープンした。同大によると、駅高架下の大学キャンパスは全国初という。【岸桂子】

 MSCは、同大などを運営する武庫川学院が、創立80周年記念事業の一つとして取り組んできた。阪神電鉄が所有する高架下空間を今後35年間借りて運営する。今月1日には、駅名も「鳴尾駅」から変更されている。

 この日オープンしたのは駅改札口の東側700平方メートル。誰もが利用できるカフェ▽みなと銀行鳴尾支店▽市民ら対象の「オープンカレッジ」会場となるレクチャールーム▽武庫女の学生が就活に向けて企業と情報交換できる「知るカフェ」――が入る。レクチャールームでは座学だけでなくヨガ教室なども開催できるほか、来年以降は大学の講義や説明会なども行われる予定という。市営駐輪場を挟んだ東エリアには12月以降、健康相談などに応じる健康増進ゾーンや教育支援ゾーンがオープンする。

 プロジェクトを統括した三好庸隆教授は、「地域のにぎわい創出のためにどんなことができるか、4年ほど前から阪神電鉄の担当者や自治会の方らと研究会や連絡会を重ねてきた」と経緯を説明する。設計にあたっては、大学に関係ない人も行き来しやすい動線にしたり、銀行では窓口が閉まる午後3時以降も市民らが立ち寄れる空間を設けたりした。

 西宮市鳴尾連合自治会の長畑純雄会長(86)は「明るく気持ちのよい空間になった。これを起爆剤に地域がさらに発展することを願っている」と話した。

阪神版〕

・駅名変更、大学名を明記
・35年間賃借
・約4年前から鉄道、自治会等と協議