鹿児島市の生活保護、過去最多の9330世帯 : 鹿児島のニュース : 地域版 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
長引く不況の影響で、鹿児島市の生活保護の受給世帯が過去最多の9330世帯計1万3137人(10月末現在)に急増している。市は12月定例会に提案した一般会計補正予算案に、昨年度の2倍を超える約21億円の生活保護費を盛り込んだ。森博幸市長は「厳しい雇用情勢の中、生活保護に頼らざるを得ない人が想像以上に増えている」と危機感を募らせている。
受給者数は記録の残る1978年度以降で最も多く、99年度の7213人の約2倍弱。10月の保護率(人口1000人あたりの受給者の割合)も21・79人で、全国平均13・3人(6月)を大きく上回っている。
市保護第1課などによると、受給世帯数は2008年から急増し、同年度の生活保護費は前年度に比べて約9億3000万円増え、197億8500万円になった。
今年度は月平均で8514世帯の受給を見込み、当初予算で約200億円を割り当てた。ところが、今年度4〜10月の新規申請数は1062件、月平均では受給世帯が9098世帯計1万2809人となり、すでに07年度の同1092件、同8034世帯計1万1355人と、ほぼ同水準になっている。
同課は「雇用悪化が想像以上に長引いている。08年度の規模を超えるのは確実」と話している。
申請理由で最も多いのは、「世帯主の傷病」で328件。次いで「定年や失業」が170件、「住居がない」が131件だった。特に定年や失業は昨年同期の102件から大幅に増加している。また、高齢化が進む中、10月の高齢者の受給は、全世帯の約4割の3621世帯だった。
鹿児島労働局などによると、同市の生活保護費は都市部の物価などを考慮した月額平均10万2325円(07年度)で、県内平均の8万7983円(同)を大きく上回っている。10月に改正された県内の最低賃金は月額9万4055円で、逆転現象が指摘されている。
森市長は「格差是正は大きな問題で、国にしっかり対応して欲しい。不況で市税の落ち込みが予想されるが、福祉費は増やさざるを得ない。新年度の予算編成は大変厳しいだろう」との見通しを示した。
(2009年12月2日 読売新聞)
13,137人÷9,330世帯=1.41人/世帯なので、単身世帯が多いと思われる。申請理由が「世帯主の傷病」、「定年や失業」、「住居がない」で639件。1062件の60%以上。さらに高齢者の受給が全世帯の約4割。高齢単身者で失業した人がかなり多そうだ。鹿児島の有効求人倍率は0.4あるかないかだったはず。生活再建は相当に厳しいと言わざるを得ない。
県内最低賃金との「逆転現象」に触れているが、県全体の事情を反映した賃金設定だとすれば、鹿児島市の事情のみを反映する生活保護費との比較はちょっと変な気がする。