卒業論文での盗用が表面化して問題に

時事ドットコム:お茶の水女子大の卒論で盗用=3分の2無断引用、出版も

 お茶の水女子大は3日、2013年3月に文教育学部を卒業した学生1人の卒業論文で、内容の3分の2が盗用だったとして、指導教授を厳重注意処分にしたと発表した。論文は同月発行の書籍に掲載され、市販されているという。

 今年1月に書籍を読んだ人から指摘があり、大学が調査委員会を設置。論文は明治憲法の制定と信教の自由に関するテーマだが、文章の3分の2が4人の研究者の論文や著書と酷似しており、調査委は無断引用してつぎ合わせたと判断した。指導教授は盗用に気付かず、最高評価を与えていた。
 この学生は大学側の事情聴取に応じておらず、規定がないため処分も行わないという。
 高崎みどり副学長の話 研究倫理に反した遺憾な行為で、再発防止に全力で取り組む。(2015/06/03-18:43)

誰もが知っている公然の秘密であるコピペレポート。教員も見て見ぬふりという部分がなきにしもあらずだが(そうしないと到底卒業までこぎ着けられない)、しかしここまで表面化すれば処分せざるを得ない。
学生を処分できないというのはやむを得ないだろう。小保方氏のように学位剥奪ということもできなくはないけれど。本格的にやり出したら教学が止まってしまうのでマスプロ大学のことを考えてそういう運用は止めてほしい(苦笑)。しかしお茶女はゼミ生数も少ないだろうし、もうちょっとチェックしたら良かったのになあと思わないでもない。
あと、卒論を市販本として出版しているというのに驚いたが、どうやら下記のようなことだったらしい。
#幸福の科学 大川隆法総裁の長女、卒論で無断引用の継ぎ接ぎ論文だったことが発覚・しかも書籍化されてた - Togetterまとめ
神国日本の精神 / 幸福の科学出版公式サイト魚拓

神国日本の精神
真の宗教立国をめざして
・著者 大川咲也加
・定価 1,296 円(税込)
・四六判 181頁
・発刊元 幸福の科学出版
・ISBN 978-4-86395-317-8
・発刊日 2013-03-22

【初の単独著作】
大川咲也加 常務理事(兼)総裁室長

国家と宗教の関係は、
どうあるべきか?

「皇室」「神道」「信教の自由」……。
憲法改正に向けて、避けては通れないタブーを正面から論じた「卒論」について赤裸々に語られた。

〔同時収録〕大学卒業論文明治憲法の制定と信教の自由」

目次
第一部 講話「神国日本の精神」
第二部 大学卒業論文明治憲法の制定と信教の自由」

現在、Amazon.comの「なか見!検索」で一部を見ることができる。卒論自体は見られないが、16−18ページを見ると、担当教員は一応まっとうな指導を試みていたように思える。また、後書き部分を流し読んだが、文章に所々写し書きの雰囲気が感じられる。しかし本文を読んだわけでもないので事の真偽は分からない。ネットでありがちな全く的外れなデマかもしれないし。
しかしいずれにせよ、卒論にしろ修論にしろ学生が後日このように論文を公表してしまう可能性はあるのだから、教員としては盗用関係をさらに注意しなければならないわけである。