大阪市職労の事務所退去問題で不当労働行為を認定

読んで分からなかったこと:調べておかなくちゃなあ…。
義務的団体交渉事項、管理運営事項、労使関係に影響の及ぶ範囲。
・不当と考えていても、一時退去した。→出て行かざるを得ない?仮処分申請とかは無理?
・条例で労使交渉の範囲を定めても、労働者の権利の侵害に当たる場合にはその規定は無効という判断?
まあ「オレら、決まり作ったから」で何でも自由にできるってのは無茶苦茶だけど、「市労使関係条例」は一応、不当労働行為にならない範囲を想定していたのだろうと(好意的に)解釈すれば、その想定が甘かったということなのかな。
**********
大阪市の労組退去問題:不当労働行為を認定 府労働委− 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2013年09月26日 12時00分(最終更新 09月26日 12時52分)

 大阪市が職員労働組合に市庁舎からの事務所退去を求めた問題を巡り、大阪府労働委員会(府労委)は26日、市が労組との団体交渉を拒否したのは労働組合法が禁じる「不当労働行為」に当たると認定し、交渉に応じるよう市に命じた。命令は「労使関係に影響を及ぼす範囲では義務的団体交渉事項に当たる」として、労組側の主張を認めた。市は中央労働委員会に再審査を請求する方針。
 橋下徹市長の就任後、府労委が市の不当労働行為を認定するのは、職員の政治・組合活動に関するアンケートに続き2回目。
 命令などによると、橋下市長は2011年12月、労組が庁舎で政治活動をしているとして、退去を求める方針を表明。職員約2万7000人が加入する市労働組合連合会(市労連)などは12年2月、市から退去通知を受けて、団体交渉を申し入れたが、市側は拒否した。
 市労連などは庁舎から一時退去する一方、交渉拒否は不当労働行為に当たるとして同年4月、府労委に救済を申し立てた。
 市側は、庁舎の使用許可は団体交渉の対象にならない「管理運営事項」に当たるなどと主張。しかし、府労委は、労組が事務所に関する事項全般の交渉を申し入れているとして、「労使関係に影響の及ぶ範囲では応じなければならない」と判断した。【村上尊一、津久井達】

大阪市:労組事務所退去問題 市が不当労働行為 団交拒否で認定−−府労委− 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2013年09月26日 大阪夕刊

 大阪市が職員労働組合に市庁舎からの事務所退去を求めた問題を巡り、大阪府労働委員会(府労委)は26日、市が労組との団体交渉を拒否したのは労働組合法が禁じる「不当労働行為」に当たると認定し、交渉に応じるよう市に命じた。命令は「労使関係に影響を及ぼす範囲では義務的団体交渉事項に当たる」として、労組側の主張を認めた。市は中央労働委員会に再審査を請求する方針。
 橋下徹市長の就任後、府労委が市の不当労働行為を認定するのは、職員の政治・組合活動に関するアンケートに続き2回目。
 命令などによると、橋下市長は2011年12月、労組が庁舎で政治活動をしているとして退去を求める方針を表明。職員約2万7000人が加入する市労働組合連合会(市労連)などは12年2月、市から退去通知を受けて団体交渉を申し入れたが、市側は拒否した。市労連などは庁舎から一時退去する一方、交渉拒否は不当労働行為に当たるとして同年4月、府労委に救済を申し立てた。
 市側は、(1)庁舎の使用許可は団体交渉の対象にならない「管理運営事項」に当たる(2)昨年7月制定の市労使関係条例で交渉の対象外と規定している−−などと主張。しかし、府労委は、労組が事務所に関する事項全般の交渉を申し入れているとして、「労使関係に影響の及ぶ範囲では応じなければならない」と判断。条例についても「交渉結果を受け、改廃を議会に付議することも可能」と市側の主張を退けた。
 命令を受け、橋下市長は記者団に「再審査を請求する。条例に従って粛々と対応しただけで、問題があるなら条例改正しないといけない」と話した。【村上尊一、津久井達】
==============
 ■大阪市労働組合事務所問題の経過
2011年
  12月 橋下徹市長が庁舎内の労組事務所を退去させると表明
2012年
   2月 退去通知を受け、市労連などは団体交渉を要請。市は拒否
   3月 市労連などが一時退去。使用不許可の撤回を求め、府労委に救済申し立て
   4月 市労連などが団体交渉拒否を巡り府労委に救済申し立て
      市労連などが市に使用不許可の取り消しを求めて提訴
   5月 市が市労連などに事務所の明け渡しを求めて提訴
   7月 市が労組との交渉事項を定めた労使関係条例を制定
2013年
   9月 府労委が市の団体交渉拒否は不当労働行為と認定

大阪市:労組事務所退去問題 不当労働行為、橋下市長2回目 組合側、市の対応批判− 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2013年09月26日 大阪夕刊

 「乱暴なやり方はもうやめてほしい」−−。大阪市が職員労働組合に庁舎からの事務所退去を求めた問題を巡り、市の団体交渉拒否を「不当労働行為」と断じた大阪府労働委員会。組合側の弁護士は市の対応を改めて批判した。組合との対決姿勢を強める橋下徹市長の就任後、市が不当労働行為の認定を受けるのは2回目で、強権的な手法を見直すべきだとの声も上がる。
 「組合の完勝だ」。市労連の北本修二弁護士は府労委の判断を評価する一方、「市は労働法規の考え方を全く理解していない。意見交換すらできないのはおかしい」と語気を強めた。市は事務所の退去について、団体交渉が認められない「管理運営事項」にあたるとして交渉を拒否してきた。しかし、府労委は「労働者の団結権や団交権を認めた憲法の趣旨を損なうことにもなりかねない」と市の対応に疑義を呈した。
 橋下市長は11年の就任直後、「市役所と組合の関係をリセットする」と宣言。組合事務所の退去や、組合費を給料から天引きする「チェックオフ」制度の廃止などを次々に表明し、組合との対立が深まった。
 労働法に詳しい脇田滋龍谷大教授は「交渉すらしないのは論外で、市のやり方には、労組を認めないという態度が表れている。『組合は悪者』と決めつけるのではなく、今回の命令を重く受け止めるべきだ」と話す。【村上尊一、津久井達】