アクティブラーニングの記事。

Eric Mazur on new interactive teaching techniques | Harvard Magazine Mar-Apr 2012

Amazon.co.jp:新書「ハーバード白熱日本史教室」のアマゾンレビューからたどり着いた「大学もアクティブラーニングが必要だ」というコラム。ごく軽くトピックスを挙げると、
(1)講義は「教える→学ぶのを助ける」へ転換するべき、(2)学生の授業評価と授業で得る学びとは無相関だと判明、(3)講義で知識を教える形から「知識は予習→質疑応答・ピア学習」という職人や芸術家の伝承方法へ行くべき、(4)情報メディアとの授業との使い分けが必要、(5)教室はグループワーク可能な形状へ変えるべき、(6)教師だけが主体的に動き、学生は聴講とノートに集中する伝統的な講義なら、最良の講義をDVDやネットで配信したら済む。ハーバード大学ハーバード大学であるゆえんは、教育が社会的な営みだということにあるのだ。他にも、大学は幼稚園や小学校の教育に学ぶべきだというような刺激的な言葉も数多く出てくる。
【感想】
取り上げられているProf. Eric Mazurは物理学の先生。また、上掲書著者の北川智子氏のインタビュー記事が東洋経済オンラインに出ているが、この人の教授法もすごい。特に、学生レポートをネットで公開するというのは取り入れてもよさそうだ。
彼らの議論が一段図抜けていると思う点は、彼らの言うグループワークが基本的に150名や200名の履修者がいる大講義での話だということ。一体どのようにコースワークを設計しているのか、教室管理や課題の進捗管理・採点が出来ているのか。それを考えると、尋常ならざる能力を持っていると思わざるを得ない。というか、どうやっているのかを知りたい。何より、彼らはもちろん世界水準でトップクラスの研究者であって、要するに、世界最高水準の研究業績を維持し続けながら、この恐ろしいほど負荷のかかる授業を行っているということだ。まったく超人じゃないかとしか思えないのだけれど。
もちろん、学生の能力や大学の環境、教員のその他の負担の問題はあるだろうが、それに還元できないことがたくさんあるはず。自分のぬるさを考えさせられる。