CiNiiで偶然見つけた3本の報告。
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000006645703
木綿 愛子 , 小松 尚
1 「地域における社会的居場所としてみた商店街の喫茶店に関する研究(経路検索(2),建築計画I)」
学術講演梗概集. E-1, 建築計画I, 各種建物・地域施設, 設計方法, 構法計画, 人間工学, 計画基礎 2003, 1141-1142, 2003-07-30
2 「日常的居場所としての地域型喫茶店に関する研究(建築計画)」
東海支部研究報告集 (41), 661-664, 2003-02-15
3 「居場所としての商業施設に関する考察 : 円頓寺商店街の喫茶店を事例として(商業・業務(2),建築計画I)」
学術講演梗概集. E-1, 建築計画I, 各種建物・地域施設, 設計方法, 構法計画, 人間工学, 計画基礎 2001, 515-516, 2001-07-31
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主に高齢者等を対象として、商店街が憩いの場(コミュニティスペース)を設けることがある。
空き店舗対策事業の一環として補助金狙いという一端もあるが、その狙いの多くは、
・商店街内に「居場所」を作って来街動機を増やす
・休憩場所を設けて、来街への心身的コストを下げる
・商店街内での滞留時間を増やす
などだと思われる。しかしながら、せっかく作ったこうした憩いの場であっても、なかなか人が寄りつかない、いつも同じ人しか来ない、来た人同士で人間関係があまり育たないなど、満足に活用されていないケースが少なくない。「居場所」は固定客・常連客などリピーター獲得にとって重要な要素の一つだが、それが実際にどのように機能するのかを商店街・商業施設に焦点を絞って検討した研究はそれほど多くないと思われる。(ってか、寡聞にして始めて知った。)
上記報告は名古屋市という喫茶店では有名な地域であり、地域特殊性があるとは思うし、また個別の喫茶店にのみ着目するという点では、利用者にとっての居場所利用動機を生活形態や社会関係から理解するという面で限界があると思う。だが、一つの視点と研究手法を提示しているという点で示唆的だと思うし、商店街自体のマーケティングを考える上でも面白い提案になっていると思う。