Wikipediaの編集から(一時?)撤退することにした

Wikipediaの意義には共感することが多くて、アカウントを取って、時々は編集すること(正確には編集を試みること)もあったのだけれど、このところは全くログインすらしていなかった。
理由は、書く以上は一定水準以上の内容を保証したいのだけど、それに手間をかける余裕がなかったこと。余裕というのは心理的なものが一番大きかった。
記事編集におっくうになる理由はいくつかある。

  • 新規項目を立てる場合、当該分野の中での既存記事との整合性や統一感を考慮するのが面倒くさい
  • 既存項目の編集の際、先に書いた人の意図や編集方針に合うように考えるのが面倒くさい
  • 典拠、出典等に即した、つまり学術的な解説記事並の正確さを保証する形での文章作成が面倒くさい

などである。たとえ誰でも自由に編集できる百科事典であっても、自分としては既存の専門辞典に自分なりの改善・充実を行うのと同じくらいの気持ちでいたのだけれど、それが災いしたのか、想像以上に心理的ハードルが高かった。自分なりに記述に不満を感じる(自分の専門領域に関する)記事は少なくないし、「あるべきだ」と思う項目も少なくないが、ほとんどタッチできなかったのが正直なところ。結局、自分には片手間でやれる手すさびにはならないなあと感じた。
で、今回、閲覧中の記事に明確な不足部分を見つけて、これなら訂正できるなと思い、久しぶりに編集しようと思ったら、無期限の広域ブロックで書き込めなくなっていた。それで、広域ブロックについて、Wikipediaの方針や議論をいくつか読んでみた。それで、ブロック解除を1ユーザーとして働きかけるのは非常に面倒くさく、かつ1ユーザーの立場では解除を実現することが困難だということが分かった。
Wikipedia管理側の論理は理解できるんだけど、ブロック解除のための苦労をするぐらいなら、少なくとも今は「Wikipediaってのはどこかよそにある所与のもの」と思って関わるのをあきらめた方が楽かなと。依然として、Wikipediaというプロジェクトが自分にはとても魅力的であることは変わらないし、そのプロジェクトにわずかでも貢献できればという思いはあるけれど。

追記(2012年8月19日)
ブロック中だけど、アカウントでログインできた。原因は私の誤解。だからこの記事はもう意味をなさないのだが、戒めも込めて置いておくことにする。
でもなかなか編集に加わる気力は湧かないだろうなあ…。