「小良(おら)ヶ浜ふたたび 原発の浜の漁師たち」

原発事故から2年、操業停止が続く福島県の漁業。第一原発から南へおよそ6kmの浜に、日本一小さな漁港があった。小良ヶ浜。夏はスズキ、冬はホッキ、春はシラウオ。天然の良港で、6組の家族が代々、漁を続けてきた。故郷の海を追われ、家族たちは今も、県内各地の仮設住宅で避難生活を続ける。原発を受け入れながらも、守り続けてきた先祖の海。番組では、過去の映像とともに小良ヶ浜の元漁師のその後と40年の歳月を伝える。

参考:本日深夜0:40〜 「小良ヶ浜ふたたび 原発の浜の漁師たち」 |エコチャンブログ|NHKエコチャンネル
福島県双葉郡富岡町の小良ヶ浜漁港の話。
番組は抑制が効いた非常に良質な作りになっている。番組の本筋と外れた部分で「ほう」と思ったところがあった。
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原発建設→補償金→性能のよい漁船を購入→漁獲競争の激化→乱獲→資源枯渇
忙しいときには、寝ないで夜昼ともに出漁していたというエピソードも。
という話をしていた。なかなか興味深い。
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補償金を巡っては、今も複雑な思いを抱えているようだ。
補償金や補助金をたくさんもらい続け、また東電から様々な仕事ももらってきて、今更東電を批判することはしたくないという気持ちを抱えている人もいた。
様々な人が東電のお金のことを語っていた。原発関係の金が人々の生活に大きく浸透していった様子が伺える。他の発電施設に比べると圧倒的に地域への影響が大きいように思える。しかも結構いびつな。ある意味、軍駐留の影響に近いような印象。
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ぐるっと海道3万キロの映像と見比べつつ、漁港移転と原発建設とが、昔ながらの安定的な漁業環境を資源消耗的な漁業へ変容させていった様子が描かれていた。
現実はもう少し複雑だろうが、一つの秩序が外生的ショックを契機として大きく変化して新しい秩序が形成される一つの例と見ることができるかもしれない。