天文館シネコン、延期検討/補助金減額の可能性=建設主体会社・TMD

2010年01月20日:朝刊

 鹿児島市天文館地区で建設が計画されている複合映画館(シネコン)について、建設主体のまちづくり会社TMD」が着工延期などを含め事業の再検討を行っていることが、19日分かった。

 関係者によると、7億円程度を見込んでいた国の「戦略的中心市街地商業等活性化支援事業補助金」が事業仕分けの対象となり減額される可能性が出てきたほか、近く設立予定の運営会社に出資を検討している各商店街から「事業の進め方が急すぎる。資金計画を十分に説明してほしい」などの意見があることが再検討の理由。TMDは市にも状況を説明した。

 TMDの有馬勝正社長は「計画の完成度を高めるには再検討が必要な部分があるかもしれないが、現段階で延期と決まったわけではない。実現に向け引き続き全力を挙げる」と話した。

 28日の天文館中央地区商店街振興組合連合会(中振連)理事会で現状報告や意見交換を予定している。運営会社設立は1月末から2月初めになる見込み。

 出資を予定している天文館地区の通り会幹部は「街の活性化に文化的施設は必要だが、国の補助金や出資者の減少が心配。進行状況が知りたい」と話した。

 同シネコンは同市東千石町の国道225号沿いに計画。総事業費21億5千万円。地上6階建てで、1、2階はテナント、3階以上が9幕のシアターとなり、地下通路で大型駐車場セラ602と結ぶ。今年4月着工、来年5月オープンを目指している。

運営会社に出資予定の商店街組合から疑問の声が上がっていることが表に出てきたのがこの記事の一つのポイントかな。
12月の説明会でも出席者から採算性について質問があったみたいだし、少なくともそれについての記事を見る限り、推進側も、どうも正面から採算性について説明できるほどの根拠はないみたい。朝日新聞は、去年からずーっと「採算が取れるのか疑問視する意見もある」とお念仏みたいに繰り返してるしね。
資金調達の半分以上を国と市の補助金でまかなうってことは、ほとんど国営会社みたいな話だし、まあ国交省補助金もあるけど、一説では経産省の中活補助金事業仕分けは8割程度に減額って話で、仮にその減額だけで「延期」とかって言っているなら、21億円のうちたかだか1.4億円程度の補助の減額だけで、もう事業性評価に黄色信号がともるというような話になってしまう。本当に「400通りのシミュレーション」で採算を確認してるのかなあ…?