*[教材][農山漁村]200年前の森林破壊から学んだ――ドイツ・黒い森の持続可能な森林管理

200年前の森林破壊から学んだ――ドイツ・黒い森の持続可能な森林管理 (1/2)
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自然の営みを助ける

  • 植林しない。下草狩りも枝打ちもしない。→「人件費の抑制や後継者不足という現実に対応」
  • 皆伐は行わず、 あえて搬出コストが2〜3倍かかる択伐を行っている。
  • 森の土壌を傷めるので樹木の搬出にキャタピラは使用しない。
  • “成長する分”だけを伐採する。具体的には各区画から5年に1度、10〜15本/ヘクタールの樹木を切り出す。

天然林に近づける

 昔、トウヒが黒い森の主要樹木として選ばれたのは、湿潤寒冷な気候に適し、成長が早く、良質な木材を生産できるからだった。しかし特定の樹木だけが育つ人工林は生態系としてはもろく、このまま気候の温暖化が進むと壊滅的な被害が発生すると危惧されている。実際、猛暑の夏には木を食い荒らす甲虫が大発生し、冬の嵐では何万本という単位で木がなぎ倒されてしまうが、さまざまな種類の木が混じる天然林ならば自然災害に対してはるかに強いはずだ。

 黒い森を天然林に近づけていくと木材の生産効率や収益は落ち、短期的にはどうしても経済的デメリットが生じる。しかし、長い目で見れば虫にも嵐にも強い健康な森が育ち、結局は林業に大きなメリットをもたらすと考えられている。