日本学生支援機構の日本留学試験のずさんさが露呈。

なるほどそういうことだったのね、と日頃の不信感に裏付けが取れ、腑に落ちた記事。

日本留学試験で過去問多数出題|NHK 関西のニュース(12月26日 18時38分)

日本の大学などに留学を希望する外国人の日本語能力や学力を測るための「日本留学試験」を受けた一部の受験生から、試験では過去の問題と同じ問題が多数出題され、中には休み時間中に問題を検索し、カンニングした人がいたとの指摘が上がっていることがわかりました。
試験を実施する日本学生支援機構は、「過去問の取り扱いについては答えられないが、不正行為を防ぐ対策を強化する」としています。

日本留学試験」は、日本の大学などへの留学を希望する外国人の日本語能力や学力を測り、大学の合否判定や奨学金支給の判断などにも使われるもので、独立行政法人の「日本学生支援機構」が国内外で年に2回実施しています。
ことし11月に、大阪府内で行われた試験では、ミスで問題冊子が足りず1600人余りが受験できなかったため、その後、それぞれ別の日にあわせて2回、追試が行われました。
複数の受験生などによりますと、このうち最初の追試では、2年前の試験で使われ中国語版のSNSなどを通じて、インターネット上に流出していた問題と同じ問題が多数出題されていたということです。
休憩時間に次の科目の模範解答をネットで探し、答えを机にメモするなどした受験生もいたということで、カンニングした疑いがあるということです。
受験生からは、「適正に行われず公平性を欠く」などと批判が相次いでいます。
これについて日本学生支援機構は、「過去問の取り扱いは試験の内容に関わるため答えられないが、カンニングが事実ならゆゆしき問題で、不正行為を防ぐ対策を強化する必要がある」としています。
一方、日本への留学制度に詳しい、武蔵野大学大学院言語文化研究科の神吉宇一准教授は、「公平性や信頼性が十分に担保できる体制を敷くべきだ」と指摘しています。

【相次ぐ過去問の指摘】
日本学生支援機構は、問題冊子が足りず、1600人余りが受験できなくなったミスのあと、2回にわたって追試を行い、いずれの試験でも過去問と同じ問題が多数出されていたとの指摘が相次いでいます。
試験は日本語と数学、それに主に社会科の内容を問う総合科目と理科の4科目で構成されています。
1回目の追試では、会場で、多くの受験生が、数学の試験で、2年前の試験問題が使い回されているのではないかと気がついたということです。
受験した中国人の女性は、「会場は大騒ぎになっていました。休み時間のうちにスマホを使って、次の科目の過去問の模範解答を探して、受験票の裏や机の上に解答を書く人がいました」と証言しました。
この女性は「みんな日本が好きだという気持ちでこの試験を受けて、日本の大学に行きたい、勉強したいと思っています。その動機が裏切られたという印象です」と話していました。
このほかにも、複数の受験生や受験対策を行っている日本語学校などにNHKが取材したところ、数学のほか理科や総合科目でも2年前の問題と同じ内容だったと指摘する人が相次ぎました。
また、2回目の追試では、先月、香港で行われた試験問題と同じ内容だと多くの受験生が気づき、同じように休憩時間に次の科目の模範解答をネットで探す人が多くいたということです。

【非公表過去問ネットに】
試験を実施している日本学生支援機構は、試験の問題冊子は会場ですべて回収していて、問題が流出することはないとしています。
しかし、インターネット上には過去問とみられる問題が出回り、外国人向けに試験対策を行う塾が模範解答を作っている実態があります。
2年前に行われた数学の試験の模範解答とされるものがネット上で確認でき、これと同じ問題が先月行われた追試で使われていたと複数の受験生が証言しています。
このうち中国人の女性は「おととし6月に試験を受けたあと、答えられなかった問題を学校の先生に解説してもらったのでよく覚えている」と話し、追試で過去の問題と同じものが出題されたのは間違いないと話しています。
過去問が流出する原因について、受験対策を行う中国にある塾の関係者は、塾の講師が一般の受験生を装って受験し、隠し持ったスマホなどで問題用紙を撮影しているためだなどと話しています。

【専門家は批判】
日本への留学制度に詳しい、武蔵野大学大学院言語文化研究科の神吉宇一准教授は、「受験者が同じだと感じるような試験問題が出たというのは、管理・運営体制に問題があるのではないか」と指摘しています。
そのうえで、「過去問のコピーがいわゆる受験予備校のようなところで使われているという話はよく聞くので、問題は何らかの形で流出しているのだと思う。試験実施者としては、公平性や信頼性が十分に担保できる体制を敷くというのが大原則だ」と指摘しています。

【機構“答えられない”】
日本学生支援機構は、NHKの取材に対し、「大阪会場で試験問題が不足したミスについては、多くの方にご迷惑をおかけしおわび申し上げる。カンニングが事実ならゆゆしき問題で、不正行為が行われないよう対策を講じたい」としています。
一方で、過去問が流出しているとの指摘、さらには流出した過去問の模範解答が出回り試験が適正に行われていないのではとの指摘については、「過去問の取り扱いは試験の内容に関わるため答えられない」としています。
これについて、留学生の支援に当たる団体などからは批判の声が上がっています。
このうち、大阪YMCA国際専門学校の米澤真由美専任講師のもとにも、試験を受けた複数の受験生から「不公平で何とかしてほしい」との声が寄せられたということです。
米澤さんは「機構は、問い合わせにきちんと答えるべきではないか。日本を選んで留学してくれた外国の学生たちに対して、もう少し責任を持ってほしい」と話し、今回の件について説明責任を果たすべきだと訴えています。

日本留学試験ってJASSOだったのかとようやく認識した。いかにもJASSOならやりそうな杜撰さだと腑に落ちる。
私の職場でも日本留学試験は利用しているのだが、以前から日本語能力試験に比べて評判が悪かった。日本語能力試験でも成績に比べて本人の実力が相当に低いという変なことは時々あるのだが、その度合いが、日本留学試験はかなり大きいのである。日本留学試験は信頼性が低い試験で、この試験を利用している留学希望者には警戒するべきというのがだというのが私の職場での一般的な反応になっている。